ギターの製作に於けるその材料と使用方法
ギターの構造はネック、ボディに於いてウッドマテリアル木材を使用しておりこのシーズニング、材質等によりその音質は粗決定する事となるのである。しかしながらボディに対してのネックのジョイント、所謂ネックの仕込み角度並びに弦高の高さによりそのギター固有のテンションになる。この事はギターの種類別に拘わらず共通する概念である。この事を踏まえて区分すると、ギターの種類は一般的に2つのカテゴリーに分類する事ができる即ちアコースティックギター及びエレクトリックギターに分類する事が出来るが、更にアコースティックギターはナイロン弦を使用するクラシックギター(ガットギター)と一般的にはフォークギターと呼ばれる事が多いフラットトップスティールストリングギター、及びやはり一般的にはピックギターと呼ばれていたアーチドトップギターが存在する。エレクトリックギターはネックジョイント構造により2つに分ける事が出来る。1つには一般的なアコースティックギターを踏襲する伝統的なセットネックであり、もう1つは、フェンダー社のギターに代表されるボルトオンデタッチャブルネックである。このフェンダー社の共有性(ネックをドライバーで簡単に外せ他のボディに直ぐにドライバーでセットできる)は言うなればギター制作上の社会主義的共産性を持ち従来のセットネック構造よりも安価に出来る合理性を持たせていると言えるのである。このフェンダー社が開発発明したボルトオンデタッチャブルセットネック構造は安易にそのネックの仕込み角度を変更する事が出来るのである。この構造に目を付けたのが、あくまでも私が言う所のクラシックギター製作のカール・マルクス革命的革新型ギターのグレック・スモールマンである。このギターはクラシックギタリスト、ジョン・ウイリアムスの使用によりその存在がクローズアップされたのであるが、詳細は後述する事とするが、このネックは六角レンチで仕込み角度が変えられる。これだけ見ても従来のクラシックギター製作からは、考えられない程の革新性であるのだ。横道に逸れたがエレクトリックギターの構造は3つに分ける事が出来る。1つは、ソリッドボディでありアコーステックなエアー感即ち所謂箱鳴りがするフルアコことアーチドトップギターであり、もう1つはセミアコギターである。このセミアコギターはフルアコギターと共通であり、違いはフルアコのボディの薄い俗にいう所のシンラインボディにボディ中心にウッドマテリアルを入れる工法の所謂センターブロックが存在する、このタイプのギターをセミアコギターと呼んでいる。
参考資料文献
現代ギター社発行のロイ・コートナル著、滝川勝男訳 メイキング・マスター・ギター ギターの名器とその製作法詳説
リトーミュージック エレクトリック・ギター・メカニズム完全版、竹田豊著
シンコーミュージック・エンタテイメント ストラト・オーナーのための
レスポール・オーナーのためのギター潜在能力覚醒マニュアル
軍事規格 電子機器基準 測定器計測機器品質
バイオリン、リュート等楽器から発生したギターの種類はそれらと同様に同じマテリアルを使用しているのであるが、その使用方法はその構造理論を見ると全く違うのが判るであろう。それは大きく異なるブレイシング力木構造による。バイオリンでは魂柱がそれにあたるが、ギターの構造はバイオリンの様に単純な構造ではない。このストラディバリオスが以前ギターを制作した事があるが、残念ながら才能が感じられない物である。その例が表す様にギター製作は非常に難しい物といえるのである。
ここでの参考文献は、リトーミュージックのエレクトリック・ギター・メカニズムである。では教科書36ページから48ページを参考に進める事とする。またこれ以外では、現代ギターのメイキング・マスター・ギターを参考にする物である。ここに使用されるスペック数値化はこれは私の感覚的な物に成ってしまうが、これをお許し頂く以外無いのであるが、これはより分かり易くする為であり実際の測定データでは無いのである。恐らくは測定器で測定しても実際には一体何を測定しているのかが解らなくなってしまう恐れがあるであろう。この事はお許し頂きたい物どぇある。
先ずアコースティックギターであるが、クラシックギターのネック材は低価格帯では、セトル材が使われている事があるが、一般的にはマホガニー材が使用されている。表面板にはスプルース(松)又はシダー(杉)が使用されているがこれは値段帯とはあまり関係は無い低価格帯にシダーが使われている事が多いが、それ以外は両者共にその使用例が存在するのである。
音質、音色を分析すると、スプルースはシダーと比べると経年変化には比較的に強く腰の強い音でエッジの強い音質と言えるであろう。しかしながらシダーはその音質的特徴としてスプルースが持ち得ないその特徴がありその最大の特徴はその発音の立ち上がり特性、所謂アタック音のスピードが速いのである。その為か線の太い音質で比較的甘い音色がその特徴である。
サイド(横板)とバック(裏板)とで違う材を使用する事はまずないので、ここでは一緒に考察する物とする。ここには、一般的にローズウッド及びブラジリアンローズウッド所謂ハカランダ(ジャカランダ共云う)であるが、これにシープレス、メイプルが加わる。最も多く使用されているのが、恐らくはローズウッドであると思われる。ローズウッドとハカランダを比較して見るとハカランダは私の感覚では700Hz~1KHz辺りの周波数に於いてピークポイントが有ると思われその様に感じられるのである。即ち人によっては、線が細いと感じるであろうしハカランダは分離音離れが良い音と感じるであろう。またシープレスはローズウッドと共通のトーン甘い音を持つがしかし分離音離れは良い。私としては、最も良いお勧めはメイプルである。その使用はアントニオ・デ・トーレスにもその仕様個体の存在が確認されており、その音質音色は、ハカランダより分離が良くシープレスよりも抜けがより良くローズウッドよりも線が太い、そして最も恐らくは延達性の高い理想的な材であると言えるのではないのではないか!17世紀辺りにはその製作方法がアンドレア・アマティその弟子のアントニオ・ストラディバリオスにより確立されたバイオリンはトップにはスプルース、サイド、バックにはメイプル材を使用してその後のバイオリンの製作の基本的概念を構築したといえるであろう。
この事はギターにも当てはまるのである。サイド、バックがメイプル材のギターは以前は余り見かけなかったのであるが、今日においては、比較的高級ギターにその存在が確認できるのである。それは特にドイツ系ギターにその影響が見て取れるのである。アントニオ・デ・トーレスの影響下にある製作者、例えばヘルマン・ハウザー一族の作品に確認される。これが20世紀に入ると、ジャズギターに使用される。ドイツからアメリカに渡り例えばギブソン社を立ち上げたオービル・ギブソンはネック材をメイプルを使いトップ材をスプルース、サイド、バックをメイプルという、言うなればバイオリン属の延長線上にあるアーチドトップギターを製作している。これにピックアップ、マイクを取り付けた物が所謂フルアコ、エレクトリックギターの創成期にあたるギターである。
メイプル材には約2種類あるが、ハードメイプル、ソフトメイプルがあり、文字通りハードメイプルは芯のある腰の強い音質が特徴的であり、ソフトメイプルはハードメイプルよりも分離が甘い様な音質である。ロックンロール、ロックミュージックで使われるソリッドボディギターはその構造上2種類に分類される、フェンダー系とギブソン系である。フェンダーはボディとネックはボルトでジョイントされており、ギブソンは伝統的なセットネックである。どちらにも一長一短ありどちらが良いとは断言する事が出来ないのである。フェンダーの共産主義的社会性共有化的な各部品の公共化による大量生産性は今日のエレクトリックギターの生産向上を可能とした生産方法であると同時に他社との部品の共有化に於ける生産効率性を上げているといえるのである。その為にサードパーティー、セカンドソースと云った新たなるビジネスモデルも出現しているのである。
リトーミュージック、エレクトリック・ギター・メカニズムのP36~P42においてギターに使用される木材の種類並びにその特徴が記述されているが、順番に追っていくと、ハードメイプル、ソフトメイプル、アッシュ、スワンプアッシュ、アルダー、バスウッド、セン、マホガニー、スプルース、シカモア、ポプラ、コア、コーリナウッド、ウォルナット、パドック、ココボロ、ローズウッド、ブラジリアンローズウッド、エボニー、パーフェロー、とある。ここではバスウッド、セン、シカモア、ポプラ、パドック、ココボロ、パーフェローは割愛させて頂くとする。ここに挙げた材は安価なギターに使われる事が多く、例えばシカモア等はメイプル系のフレイムグレイン俗に云う所のトラ目の材の代わりに使用される事が多いがその音質は違いがあり、アタック音、腰の無い音と成ってしまうのである。今日に於いては国産ギターに於いてもこの様な商品が存在するが、これより酷い例がセン等の材をトップ材に使用してトラ目のフイルムをその上に貼り付けるという、我が国が誇る上級技術ハイテク(笑)を使っている商品も存在する。
我々は一般的にエレキギター例えばレスポールを購入を考えるとすると、まずギターのトップ材に拘り、見た目の良いフレイムグレイントラ目のギターを選んでしまうが、実はトラ目のない所謂プレーントップの個体の方がより良い音質が得られるのだが一般的には殆どのユーザーはトラ目バッチリフレイムグレインの見た目のカッコいいギターを選んでしまうことが多いのである。
我々は物を見る時に物の本質即ちギターの場合は楽器である事の最優先事項である処の音質ではなく工芸品の如くその見た目で選んでしまうのだ。後記するがネックの仕込み角度を気にした方が大事であり音質に影響があるのだ。
アッシュは材としてはアルダーと同様にフェンダー系のギターでの仕様例があるが、アルダーに比べるとアタック音立ち上がりが速く鋭いがアルダーはアッシュと比べると腰は無いがより広がりのあるトーンを感じるが音に締りがない。スワンプアッシュはアッシュと同等のトーンであるが重量はアッシュに比べると比較的軽量であると言えるがアルダーの重量と粗同等である。
コア、コーリナウッド、ウォルナッド等はギターにもその仕様例が存在するが一般的にはウクレレの材として有名である。
ローズウッドはアコースティックギターのサイド、バックとしての仕様材としては一般的であるがエボニーと同様にギター以外の楽器に於いても使用されている。ローズウッドは普及品に使用例が多くまたエボニーは高級品に多くの使用例が存在するのである。
エボニーはローズウッドに比べると材質的には硬質であり耐久性としても優れていると云えるが私の考えではローズウッドの方がより響くと考えている。また同質、同じ種類の材でもその年代、シーズニング等により音質は変わってしまうのである。
ギブソンのレスポールを例として考察するとオリジナルの1958年のレスポールモデルと近年のヒストリックコレクション’58モデルではウッドマテリアルの質が全然違うのであるが、その昔の木材は近年の木材と品質が余りにも違い尚シーズニングがその違いであろう。この辺はビンテージギターのレペアマンであれば恐らくはご存知であろうはずで、ここでは割愛させて戴く事とする。
矛盾するようだが、2014年から2016年辺りの生産されたヒストリックコレクションはオリジナルのレスポールに勝るとも劣らないクオリティーを実現している。フロントピックアップのPAFコピーモデルを鳴らしてマイク・ブルームフィールドの様な切れ味のあるトーンが再現されているのは再生産レスポールモデルでは私は初めて聞いたのだが完成度の高い個体が出てきた物である。木材のジョイントに使用される接着剤をタイトボンドではなく昔ながらの膠所謂ハイドグルーを使用しているのが効果が大であるのだろう。以前NHKに於けるストラディバリオスの音質の秘密を探る番組がNHKスペシャルとして放送されたのだが、この番組での化学者、楽器製作者ここではバイオリン製作者であるが私が30数年前に楽器店の店員をしていた時代に直属の上司のY氏で私の師匠でもあるのだがこの当時店の中ではお客様が居ない時ではあるが、クラシックギターの最高峰であるアントニオ・デ・トーレスの研究をしていたのであるが、このNHKの番組は殆んど同じ事していたのだ!即ちY氏の下に行った我々の方が30年は早かったといえるのだ。この研究のおかげで日本国内のクラシックギター製作者のみならず海外のクラシックギター製作者もトーレスモデルを作っているのである。
ギターの音質はウッドマテリアルだけで全てが決まる訳では決してないのである。ギターの種類カテゴライズによりその構造理論がその音質を本質的に決めてしまう物であるといえるのだ。力木の木材の種類、力木その物の形及び配列等により音質、音色が全く変わってしまうのだ。0.001も違ってしまえば音は全く違ってしまうのである。これを聞き分けられなければギター製作者は絶対にクオリティの高いギターを製作する事は不可能である。と言っても低価格帯、初心者向け等のギターはこの限りでは無いことは言うまでも無い。またそれ以上にネックのボディジョイントに於けるネック仕込み角度は実は、物の本、参考文献にも記述が無いのであり、著名な製作者も良く解っていない事が多い、何と嘆かわしい事か! この事が判らずにはグレック・スモールマンは絶対に理解する事は不可能である。グレック・スモールマンは後記するとして、
クラシックギターをカテゴライズすると、大雑把であるが、スペイン系とドイツ系に分類する事が出来るのであるが、スペイン人がドイツ系ギターを制作するということもありえる。例えばホセ・ロマニリィヨスやマヌエル・ベラスケス等である。これは19世紀に天才製作者アントニオ・デ・トーレスが以前のギターとは全く異質なギターを作り上げた。その音量、延達性は現在のギター製作者に多大な影響を与え続ける事になるのである。このクラシックギター一時革命の後、全く新しいタイプのクラシックギターが出場した。是がクラシックギターの二次革命であるところのグレック・スモールマンの登場となる。
グレック・スモールマン
ギターの歴史上に於いてのエポックメイキングは19世紀に於けるクラシックギターの頂点に輝く革命的技術革新が現れた!現代に於けるギター製作技術が一つのギターとなってその姿を現したのである。
アントニオ・デ・トーレスの誕生である。以前のギターと比べると、その弦長の長さ、ボディの大きさ、そして出てくる音が、その音量、延達性の広大に大いなる飛躍を果たしたといえるのだ。
フラットトップスティールストリングスギターはこのマーチンギターから始まった。一般的にアコースティックギター(日本ではフォークギター共云う)と呼ばれるが、アコースティックギターと言えばこのマーチンである。
その後各社がこれに続き生産が成されたがその全てがマーチン社の亜流と言えるのである。マーチンギターはニューヨークスタイルと言われたO型に始まりOO型、OOO型、と続きドレットノート型所謂Dから始まる型番で同社の売れ筋商品銘柄である。どの型番にも共通であるが、18はサイド、リアバックにはマホガニー、28、35、45はローズウッドを使用している。これらは1950年代から1960年代はブラジリアンローズウッド所謂ハカランダを使用している。このドレットノートの由来とはこの当時のイギリス海軍の旗艦戦艦のドレットノートから来ているがこれはフラッグシップの意味である。
一般的にジャズギターには、アーチドトップ俗に言うフルアコ、ロックギターにはソリッドボディのエレクトリックギターと区分されるがギブソンのレス・ポールの様に双方に使用される場合がある。例外があるのである。何事にも例外がありフェンダー社のギターを使用した場合にはこれをフェンダージャズとカテゴライズして呼ぶ事があるがここでは一般論としてアーチドトップを基本的に考察する物とする。またロックギターではソリッドボディを考察する物とする。
このギター及びアンプセットは、ギタリスト菅原潤子氏のステージ上の物である。
これは、ギターはフェンダーストラトキャスター、ギブソンES-335であり、ギターアンプはDr.Zdであると思われる。
アコースティックギターは別であるが、エレクトリックギターは必ずアンプリファイアーが必須アイテムである。アンプなしでライン入力という手もあるがライブではやはりギターアンプを使用する。
ギターアンプは大きく分けると2種類に分類される。
その一つは真空管を使用するチューブアンプでありもう一つはソリッドステートアンプである。そしてこれらのハイブリットアンプも存在はする。オペアンプを使用したICアンプはソリッドステートアンプに分類されるが、ソリッドステートアンプの使用する素子としては、トランジスタ、MOS-FET、J-FET等があげられる。
今日に於いて真空管アンプがベストと思われるが、そのメンテナンスが初心者向けではなくまたプロフェッショナルのロードに耐えうる物という足枷が存在する事も事実である。この場合MOS-FETが真空管に近い特性をもち耐久性を備える為にベストとも言えるであろう。
ここに於いては参考文献であるリトーミュージック社のエレクトリックギターメカニズムのp-36から始まる木材グラフであるが、木材に於ける水分含有率、や木材のヤング率等専門用語が出てくるが、もう少し分かり易く現実的に簡略化すると次の様になる。
回りくどくなくストレートに言うとこの様な事になるのだが、ギターと云えばその歴史から見てもヨーロッパ、そしてアメリカになるがでは音質が良いギターはといえばやはりこの様な欧米諸国になるが、それ以外の国ではどうかと云うと日本、中国、韓国その他あるが、近年ではメタルマテリアルであるペグはこれは日本のゴトーがクオリティの高い製品を作り出してはいるが、ウッドマテリアルであるギターボディはと云えばこれは余りにも良くはない。これは日本人製作者のレベルが低いのではなくむしろレベルは高い位で問題はこの国の気候状の問題である。ギターに於ける塗装の乾燥のスピードが非常に遅いのである。安価なポリウレタン塗装なら問題が無いが・・この塗装では音質に影響が出てしまう恐れが有る。特にクラシックギターの高級品は出来ればセラックニスのタンポ塗装が理想的な塗装方法であるが乾きが悪くなかなかに使えないのが現状である。国産高級クラシックギターはセラックタンポ塗装である物も存在するが製作時間が長く成ると云う問題点は解結はしてはいないのが、このセラックタンポ塗装は日本では、塗装後の乾き具合が問題であり、3ヶ月程掛かってしまう。尚且つこのセラックタンポ塗装は刷毛等で塗るのではない。そんな事をしてしまったら乾きが更に遅く成ってしまうのだ!耳かきの梵天の様なタンポを使い塗装をするのだが!塗ってはいけない!そんな事をしてしまったらその塗装は乾くのに時間が掛かり過ぎてしまうであろう。そのタンポ塗装は軽く叩くのである!叩くと言ってもその力加減は軽く触れるか触れないか位のフェザータッチである。殆ど塗装したか!しないか解らない位である。素人はセラックタンポ塗装であれば音が良いと思いがちであるが!この湿度の多い日本では一概には言えないのである。ギターの塗装に3年から5年以上掛けても良いなら別であるが!しかしながらそれで音質が良くなるわけではない。
ギターのスペリングはguitarであるが、このイニシャルは奇しくもジオメトリックgeometricのgであり宗教上の神godのgでもある。そしてこのgはギターの機能上の問題点に成ってもいるのである。即ちギターの1弦の17フレットに於いて、この音がギターの構造上の問題点!全てのギターの問題点であるのだが!ギターが歌わない!デットポイントである。この1弦17フレットのgはデットであり他のフレット上の音はライブである。このデットポイントを如何に鳴らすかがギター製作者の腕であり使命であると言えるのである。ギターの音質を決定的にする要因は一般人はその材質ウッドマテリアルに依存しているとしているが間違いでは無いが、正しくない!即ちこの幾何学的構造理論ジオメトリカルロジックが最も重要な要因である。ギターに限らず弦楽器はその音域を決定する要因はその弦長に依存する物である。弦長が長ければ長い程その楽器のローエンド低音域が延びるのであるが、それはギター製作者の力量を試す事に成る即ち弦長の長いギターはスタンダードなギターより音質のまとめ方が難しいのである。しかしながら弦長の長いギターは一定の条件上共通では短いギターよりも音程感が安定する。ハーモニクス倍音が出易く成るのである。
ギターの構造は2つの部位から成り立つ、即ちネック及びボディであり、このジョイント部分がギターの構造上最も大事な部分であり、ギター構造上のキモである。この各部位の質量比は、理想的な質量はネック及びボディは1対1の重量比であり、ネックジョイント部分で重量質量がバランスを取らなければならない。ギターに於ける構造はそのボディに対してのネックジョイント部分に於ける所謂仕込み角度、これが音質をきめる最もな要因に成っている。ネックがボディに対して表板、エレクトリックギターの場合はピックアップの付いている方であるがこの部分に対してネックがジョイント部分よりヘッドが上方に上がっている場合はこれを竿上がり、もしくはネック上がり!と言い、下降に下がっている場合は竿下がり又はネック下がりと言うのである。これによってギターの音質は決定されるのである。一定条件の元で比較すると竿上がりはアコースティックなライブ感があるが、音質の優れない個体のギターであればこれで良いのであるが!この場合1弦のギターの音に違和感がでる事になる。これの実例は教科書(株式会社・シンコーミュージックエンターテイメント・ギターリジェントエリック・ジョンソン)に存在する。この教科書19ページに有るギターに於いて!マアこの実例は悪い見本であるが、このエリック・ジョンソン所有のストラトキャスターでこのページの3番目のギターでシリアルナンバー・「32237」の1958年製で‘59~‘60年頃のボディで3トーンサンバーストは退色しやすいのが特徴であるが、この‘58年製モデルは赤が退色しずらいとされている。このページの3本のストラトキャスターのすべてが例外無く一弦のサドルがその他のサドルと違う物が使用されている。がこれはボディの対してネックのジョイントの仕込み角度が俗に言う竿上がりの状態である事がお分かり頂けるであろう。エリック・ジョンソンともあろう者が何て事であろうか!私としてはネックジョイント部分に於ける仕込み角度は竿下がり即ちネック下がりがベストである。この場合ブリッジ及びサドルが一定条件であれば弦高がより低く設定する事が出来るのみならず!そのギター個体のテンションが同一上である
今日、今現在、2018年7月3日、ここに一つの法則を記述したい。ギターに於ける弦高は高ければ高いほどそのテンションは強くなるのであるが!これに対してネックジョイントの仕込み角度を俗に言う竿上がりにしても近い効果がある。これを同時に行うとテンションが強く成り過ぎる。それ以上に違う問題を生じる事に成る。ここに幾何学のベクトルの法則に於ける問題点がある。即ち、ナットの高さ、そしてギターの弦高この二つの高さを結ぶ直線は指板上の弦長とその長さが異なる事となる。エレクトリックギターの場合はサドルに於いてオクターブピッチを合わせる事になるが、フレット上は合わない!ギターの製作上のフレット、即ち平均律に於いての所謂フレッチングが、弦高を高くする事により厳密には音程が合わなく成ってしまうのである。依って弦高は低くする方が理想道理に成り理論上好ましいのである。この場合、ネックが竿上がりの状態でサドルで弦高を幾ら下げても高は下がらず、この場合はネックジョイントを竿下がり状態にする事になる。ここにもベクトルの法則が成立する。
この補足説明の図、”余剰定理”が判り易い。最初の図はa~bの角の先端の点がナットの高さ方向を示している。従ってギターの場合はこのナットのヘッドよりを弦のペグへの方向に直線上に伸ばした角度になる。同様にC~b角はサドルとテイルピースでここにも高さ方向が存在する。このティルピースを上に上げるとaのナットからサドルまでのテンションが変わる。テンションが下がる事に成るのである。また二番目の図はギターのネックジョイントの仕込み角度を指す。即ちこのθの角度が180度でフラットでありこれが160度であれば竿上がりであり、190度であれば竿下がりであると言える。これは例えが極端であるが!こんな大きな角度には現実にはならないのであるが!この余弦定理は元々がピタゴラスの定理から来ており、弦楽器に於けるフレット間隔即ちフレッチングの元の原理!現在の平均律、以前の純正律の基盤に成った理論がピタゴラスの音律であるのだが!ピタゴラスの定理音律がギターの構造理論であり、これによりギターはその存在が成立していると言えるのである。
ギターの構造上の問題により以下の問題点が存在する事になる。即ちそのギターの弦長とギターに於ける弦高が存在する為に前記の[補足説明]に有る通り、ギターの場合はaが実際の弦長であり、a sinθが弦高で、a cosθが理論値の弦長で実際の弦長は弦高の高さ方向により理論値とは異なる事になる。即ち弦高が高く成るに従ってその実際の弦長は理論値よりも長く成って行くのである。この状態で弦を抑えると、への字の真逆の状態に弦がなるのだが、この状態はaがa-(その抑えたフレット間隔分がマイナスされる、その為5フレットを抑えた場合は5である)がこの場合に於いても弦高が高いと理論値道理の音程ピッチが合わなくなる。そして弦高が高ければ高い程指に掛かるテンション感覚が強く成ると感じる事に成る。そして弦高を少しずつ低くしていくとギターのテンション感覚が低くなって行く。そのテンション感覚は右肩下がりのマイナス曲線になる。これをギターに於けるテンション感覚逓減の法則と言う事にする。この原理は万物のゴールデンルールの限界効果逓減の法則であり、これが農業、農産物であれば、土地収穫逓減の法則である。この図ではaがcより短いが実際にはaは実際の弦長でありcはサドルからテールピース、アコースティックギターではサドルからブリッジになる。ギターに於いてはaとcが同じ長さはあり得ないが同じと仮定するとこの開放弦は同じ音程である。
実際はaとcは全く長さが異なる為に音程は違い、エレクトリックギターのレスポールを見てみればお分かり頂けるであろう。
このレスポールを例に取り説明すると同一上の弦長でテールピースの高さ方向を高くするとサドルに掛かるテンションは軽くなる、依ってナットからブリッジ間の実際の弦長は同様にテンションが軽くなる。勿論サドルを下げるとテンションは同様に軽くなるのである。ギターの場合その構造により弦長は理論値と実際値がナットの高さ及びサドルに於ける弦高が存在故にテンションが存在する事に至ったのである。そして弦長が長く成れば、ローエンドが伸びるので低音が豊になりフレット上の音程感覚オクターブハーモニクス、ピッチ感覚が安定する事になる。しかしながらギターにはもう一つのファクターが存在するのであるが、それが前記のネックジョイントの仕込み角度である。この様に幾つもの複合的要因に因り複雑化してしまっているが、これらの要因ファクターを考慮して複合的なギター調整をして理想的なギターセッティングをするべきであろう。
ギターの弦長はナットからブリッジ上のサドルまでが理論値であるが、現実的には、この理論値とは別に実態値は前途記述の様にaになるが、この理論値と実態値の間の面積とその真逆の面積は誰が見ても面積はa側即ち指板上の方が広いのであるが!この面積はスカラー積と言うが、両方共同じエネルギーであるのである。依ってaとcはそのテンションが違うのである。指板上の弦とサドルからテールピース間の弦のテンションを比べて見れば一目瞭然であるのだ。サドルを上げていけば自ずとテンションが上げっていくが、それは両方共である。指板側のスカラー積が大きく成り、指板上に於いての弦長はサドルが上がれば上がる程理論値とは外れていく事に成る。よって指板上の弦を押さえれば当然理論値とは異なる弦長になる。弦高が高く成れば成る程理論値からは遠くなるのである。
このスカラー積が小さい値であれば有る程音程感ピッチ感覚は合う事に成る。だからと言ってサドルを完全に下げ切ってしまえば弦が指板にくっ付いてしまい弦がビビる処か音が出ないであろう。またもう一つの問題はギターから音を出すと言う事は弦をピッキングする事であるが、ピッキングすると言う事は弦が上下左右に動いている事であるが、この事その物が弦が瞬間的にも弦長が変化しているのである。その為に瞬間的には位相がずれて定位しない!即ち音像がボケるのである。依って音の遠達性が損なわれる事に成るのである。依ってギター演奏では次の事が判ると言うものである。ギターのピッキングは力を入れて目一杯ギターを弾いても音量はさほどでも無く遠達性が損なわれるのである。しかしながらクラシックギターのバーチュオーソの様にピッキングタッチが弦を振動振幅させずにその弦からギターの表面版にエネルギーを与える即ち弦振動をさせず表面版にエネルギーを与える事により表面版に板振動振幅をさせる。私が実際に1メートル以内で見て弦の振幅が皆無0.01mm程も動かない!しかしながら5メートル~10メートル離れるとその音量が増してくるのである。これがクラシックギターの音の遠達性である。であるが、これはエレクトリックギターのケースでは適応しないのである。何故ならばエレクトリックギターはその発音発生理論上弦が振動振幅しなければマグネッテックマイクの磁界上を弦が切り裂く事が出来ない為にDC所謂直流電流が発生する事が出来なくなる為に音が出なくなるのであるのだ。
前途の理論上のスカラー積であるが、意図的に外したファクターが存在する。指板上のテンションはナットからマシンヘッド所謂ペグまでの弦に於けるテンションにも依存しているのである。フェンダー系のギターであればそのテンションを変えるストリングスガイドによりテンションが変わるのである。ギブソン及びそれに準ずるギターの場合はナットからペグの角度がネックからヘッドへの角度のみならずそのヘッド角度及びヘッドに対してのペグの位置関係からナットからペグまでに横方向にも角度ば付く事に成る。この斜め方向にテンションが付く事により実際のテンションが決まる事に成るのである。またこれと同様にブリッジ上のサドルからテールピースのテンションもテールピースの高さからブランコテールピースのボディの付け根までの直線上の理論的な見掛上のスカラー積が存在するのである。これらのファクターを全て考慮に入れる事により精度の高いテンション値が表されるのである。以上がギブソン系のギターについてであるが、フェンダーギター特にストラトキャスターではトレモロアームユニットに於いてのスプリング歪が生じるのである。このユニットに限らず全てのビブラートユニットは例えば1弦が切れればそのギターのチューニングが狂ってしまうのであるが、それはこのアームユニットにストリングテンションが加わっている事を示唆しているのである。よってこのスプリングのテンションがギター!ストラトキャスターのテンション値を決める重要なファクターである。
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