上の左側がフランシスコ・タレガでありその右側にはアントニオ・デ・トーレスその人である。
このアントニオ・ストラディバリはあのニコラ・アマティの下で弟子として所謂チェロ属を製作しており中でも最も重要な仕事はバイオリン製作であり名器の誉が高い物である。しかしながらギター製作と言えば、現存している個体は5本であり、内使用出来る個体は1本である。この位置付けは、所謂バロックギターと呼ばれる物で6コースギターである。この後に所謂今で言う19世紀ギターへと続くのである。この19世紀後半に同じアントニオでも、ギター製作のアントニオ・デ・トーレスが登場するのである。その19世紀にはラコートが登場しまたパレルモがギターにメタルマテリアルのチューニングペグを登場させたのである。
この個体はストラディバリ製作のギターであり所謂サビオナリと呼ばれているギターである。1679年製作である。このボディ内部には彼のアンドレス・セコビアのサインが成されている。
このストラディバリが製作したギターの総本数は定かでは無いが、現存している個体は5本と少ないのである。
このサビオナリは現存している唯一の使用するに耐える個体であるという。
上記に於けるアントニオ・ストラディバリの製作したギターであるサビオナリであるが、これは所謂バロックギターでありマシンヘッド所謂ペグが10個付いており、その事から10弦を使用した5コースギターであるはずである。しかしながらギター弦は9本しか張られておらず、本来の5コースギター、バロックギターの程をなしていないと言えるのである。この個体サビオナリはこの内部にあの偉大なるクラシックギタリスト!アンドレス・セゴビアのサインが存在しているのであるが!と言う事はこの個体は1679年製作の楽器である事を踏まえると、1920年以降に分解された事を示唆している物である。この手の所謂バロックギターはサウンドホールに造形模様のロゼッタがあり、通常のギターとは違いサウンドホールから手をいれてサインを書く事は不可能である。因ってこの個体は分解修理、下手をしたら改造モディファイドされてしまったかもしれ無いのであるのだ!これは1弦側の力木を削る所謂スキャロップブレイシングにしている可能性がある。と言うのは1弦側が複弦であるのだがこの個体は1弦しか張られておらずよってテンションがかわり本来の表面版に掛かり加わる事になるテンションより少なくなる為に力木を削ったと推測される。この事はこの個体が飽くまで所謂プレイヤーズコンデションであり、考古学的意味合いや歴史的配慮をすべく原型オリジナルコンディションを保っているとは言え無くなる事を意味しているのである。勿論この様な事は事実ならあってはならないと言う事は自明である。
故意に一弦のみが単元になっておりトレモロ奏法が安易にしやすくなっており、これは故意に本来のバロックギターの伝統的な奏法を無視した改造と言える物である。この様に、物理的に、歴史的考察を加え、考古学者的に分析しなければ真実は見えてこない物であるといえるのだ!と言う事で、もしかすると、この個体以外の4本こそが、本来のバロックギターの程をなしているギターなのかも知れないのである。
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